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『どうして医者はインフルエンザにかからないのですか・2』
やはり、個人的には「病は気から」説が頭からはなれません。
勤務医のときはもし自分が倒れても誰かピンチヒッターが大学から派遣してくれるだろうという甘い考えがありました。
だからこそ、過労死する方がでるほど、勤務医の仕事は激務ですが、自分が倒れても何とかなると考えて、アクセルべた踏みで、徹夜することも珍しくなく、昼も夜も食事をとらずに働き続けていました。
医者になって3年目、「自然気胸」をいう肺に穴が開き(肺は風船のように、のびたり、ちぢんだりしています)右肺が穴のあいた風船のようになり、ちぢんでしまい、機能せず、息苦しくなり、入院、手術、となり、2か月ほど上司、同僚、に迷惑をかけました。この経験から、自分には勤務医は無理で、親の跡を継いで開業医になろうと決心しました。
ただ、開業医にはピンチヒッターはいません。勤務医とは逆に、いかに休まずに、体調管理をしていくかが課題となりました。
① 手洗い、うがいの実行、マスクの着用。患者さんが変わるごとにアルコール性の殺菌剤で手洗いです。この時期には無用な外出をさけるため、家族との食事も行きません。予防注射は必ず10月中にします。
② くしゃみや、咳を真正面から受けたときは、患者さんには悪いのですが、洗顔させていただきます。
③ とにかく睡眠。7時間は昼寝も入れて必ず寝るようにしています。書類書きの雑用などは、後回しにします。
④ インフルエンザ流行中には、無用な外出を避け、家族との食事も行きません。家で冬眠状態です。どうしても外出しなけらばならない時は、必ずマスクをしています。
⑤ 毎朝、漢方薬(主に「葛根湯」)を服用しています。
以上のようにして、何とかインフルエンザにかからずに済んでいます。
それでも、インフルエンザ流行シーズンが終わる春先には、風邪をひいてしまいます。やはり気がゆるんでいるんでしょうか。
ある医科大学で、試験中の医学先生のナチュラルキラー細胞(病原菌やがん細胞をやっつける細胞です)の働きは、試験が終わった時よりも強いとの発表がありました。
これは、気持ちが緊張している時は病気にかかりにくい原因の一つと思っています。