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『どうして医者はインフルエンザにかからないのですか・1』
いえいえ、わたしごとで恐縮ですが、小児科医になりたての、26歳のころには、いつも風邪をひいていて、咳や鼻水が出ない時が、ほとんどないようでした。
まるで、一歳で保育園に入園した子供さんと同じように毎日、何らかの薬を飲んでいたようにおもいます。
ただ、一歳児よりは免疫力があるためか、虚弱体質でしたが高熱が出ることはなく、また、仕事も忙しく、「休んでいる暇などないぞ」と自分にいい聞かせていました。病(やまい)は気からと言われますが、その通りかもしれません。
それでも、2-3年すると、免疫ができるのでしょうか、あまり体調を崩さなくなりました。いろんな病気に出会い、家族のように同じ病気に長時間あうわけでもなく、診察のときにあうだけで、短時間にいろいろな病気の免疫を獲得しているのかもしれません。
あたかも、いろんな予防注射を打っているようです。予防注射は、言葉は悪いですが、たとえば、「おたふくかぜ」なら、おたふくかぜの生きたウイルスをほんの少量、毒性を除いて、注射するのです。そして、おたふくかぜを発症しないけれど、おたふくかぜの抗体を獲得できるのです。まさに「毒を持て毒を制する」のです。
免疫のシステムは本当に複雑怪奇で、おたふくかぜ のように一度かかれば、二度とかからないものもあれば、インフルエンザのように何度でもかかるものがあります。いろんな患者さんを診療させて頂くうちにいろんな免疫がついているのかと思っています。